出張や旅行の準備をしているとき、ふと頭をよぎるのが「電動シェーバーって飛行機に持ち込めるの？」という疑問。
朝の身だしなみに欠かせないアイテムだからこそ、手荷物検査で没収されたり、現地で使えなかったりしたら一大事です。
さらに、「リチウム電池だから危ない？」「スーツケースに入れても壊れない？」といった細かい心配も尽きません。
でも安心してください。
電動シェーバーは、正しい知識と準備さえあれば、国内線・国際線どちらも問題なく持ち込み可能です。
この記事では、航空会社ごとのルールやバッテリーの扱い方、海外での電圧・プラグ対策まで、「知らないと損するポイント」を分かりやすく解説。
これを読めば、出発前の不安がスッキリなくなり、旅先でも安心して清潔な身だしなみをキープできます。
電動シェーバーは飛行機に持ち込めるのか？
手荷物での持ち込みルール
結論から言うと、電動シェーバーは手荷物として持ち込みできます。
その理由は、電動シェーバーの刃が「外刃」で覆われており、肌に直接触れない構造だから、刃物と見なされず、安全性の高いアイテムとして分類されます。
たとえば、TSA（アメリカ運輸保安局）や日本の国土交通省の指針でも、「電気シェーバーは手荷物・預け荷物のいずれも可」と明記されています。
ただし注意したいのは、4cm以上のT字カミソリや替え刃式カミソリ。
これらは刃がむき出しのため、手荷物ではNGとされる場合が多いです。（預け荷物なら問題ありません）
つまり、「電気シェーバー＝OK」「4cm以上のT字カミソリ＝NG」と覚えておくと混乱しません。
受託手荷物（スーツケース）に入れる場合
スーツケースに入れることもできますが、気を付けたいポイントが2つあります。
破損防止
電動シェーバーは精密機器。
衝撃や圧力に弱いため、他の荷物とぶつかると故障の原因になります。
とくにスーツケースの外側やキャスター付近は衝撃が強く伝わるため避けましょう。
おすすめの梱包方法は次のとおりです。
・タオルや衣類でふんわり包む
・専用ポーチやハードケースに入れる
・スーツケースの中央部（外壁に接しない位置）に収納する
このひと手間で、振動や落下の衝撃をかなり防げます。
バッテリー管理
もうひとつ重要なのが、バッテリーの扱いです。
電動シェーバーの多くは「リチウムイオン電池」を使用しており、この電池は過熱・破損時に発火の恐れがあるため、預け荷物に制限がかかることがあります。
たとえば、ANAやJALでは、「リチウム電池内蔵機器は手荷物として持ち込むことを推奨」と明記されています。
つまり、預けるより手荷物に入れた方が安全かつ確実ということです。
バッテリー（電池）タイプ別の注意点
電動シェーバーといっても、製品によって電源方式が異なります。
ここでは、タイプ別に注意すべきポイントを整理しておきましょう。
充電式（リチウムイオン電池）タイプの注意点
今やほとんどの電動シェーバーがこのタイプです。
軽くて長持ちする反面、熱や圧力に弱く、航空法で厳しく管理されています。
航空会社の一般ルールは以下の通りです。
| 種類 | 手荷物 | 預け荷物 |
|---|---|---|
| 内蔵式リチウム電池（取り外せない） | 持ち込みOK | NGまたは制限あり |
| 取り外し式バッテリー | バッテリー：手荷物のみ／本体：預けOK |
つまり、「預けるときはバッテリー部分に注意」が鉄則です。
また、メーカーによっては「航空機持ち込みに関する注意事項」を取扱説明書に明記している場合もあり、出発前に一度チェックしておくと安心です。
乾電池式・コンセント式の違い
乾電池式のシェーバー（単三・単四電池使用タイプ）は、発火リスクが低く、手荷物でも預け荷物でもOKです。
海外出張でも現地で電池を買い替えれば使えるため、携帯性が高いのが特徴。
一方、コンセント式（コード直結タイプ）は電池が内蔵されていないため、制限は一切ありません。
ただし、海外では電圧が違うため、次章で説明する変圧器やプラグ変換が必要になることがあります。
国際線・国内線での違い
国内線のルール（ANA・JALなど）
日本国内線では、電動シェーバーの持ち込みに関するトラブルはほとんどありません。
ANAもJALも公式に「電気シェーバーの持ち込み可」と明記しており、唯一注意すべきは「リチウム電池の取り扱い」だけです。
ANAの例
「リチウム電池を使用する電気シェーバーは手荷物としてお持ち込みください」JALの例
「取り外し可能なリチウム電池は手荷物での携行をお願いします」
ただし、地方空港やLCC（格安航空会社）では規定が微妙に異なる場合があります。
たとえば、ピーチ・ジェットスターなどは機内持ち込みサイズの制限も厳しめです。
荷物をまとめる前に、公式サイトで「危険物に関する案内」を一度チェックしておくのがおすすめです。
海外航空会社の基準（アメリカ・ヨーロッパなど）
アメリカのTSA（運輸保安局）では、電動シェーバーは持ち込みOK・預けOKと明記されています。
ヨーロッパでも基本的には同様ですが、中国や中東系航空会社ではバッテリーに対する規制が厳しめです。
たとえば、中国東方航空では、「リチウム電池容量が100Whを超える機器の預け入れ禁止」などの細かい規定があります。
電動シェーバーのバッテリー容量は通常5〜10Whなので問題ない範囲ですが、念のため確認をしましょう。
海外では、保安検査官の判断が柔軟な一方で、「見た目で判断される」ケースも少なくありません。
シェーバーを透明ポーチや専用ケースに入れておくと、検査時にスムーズです。
ワンポイント
英語で「これは何ですか？」と聞かれたら、
「It’s an electric shaver（電動シェーバーです）」と答えればOK！
スーツケースに入れるときの安全な梱包方法
破損を防ぐパッキングのコツ
スーツケースにシェーバーを入れる場合、最も気をつけたいのは「衝撃」と「圧力」です。
シェーバーのヘッド部分や刃は繊細で、少しの圧でも変形したり内部パーツが外れたりすることがあります。
おすすめのパッキング法は以下の通りです。
・本体を柔らかいタオルや衣類で包む
・専用ポーチやハードケースに収納する（メーカー純正ならさらに安心）
・スーツケースの中央部に入れ、硬い物（充電器・靴・金属製品）と接しないようにする
・洗浄液や替え刃は別のポーチにまとめて収納
また、電動シェーバーにはスイッチが押されやすい構造のものもあるため、移動中に誤作動しないよう「電源ロック」または「電池を抜く」対策もしておきましょう。
電源ON防止の工夫
旅行中のカバンの中やスーツケースの中で、知らないうちにスイッチが押されてしまう「誤作動」は意外とよく起こります。
特に、スーツケースに荷物を詰めるとき、他の物に押されてスイッチが入ってしまうケースが多いです。
もし移動中に電源が入ったままになると、次のようなトラブルが起こる可能性があります。
・モーターが空回りして焼けてしまう
・バッテリーが完全に放電して、目的地で使えない
・高温になり、周囲の荷物を傷める
こうしたトラブルを防ぐために、以下のような対策をしておくと安心です。
電池を抜いておく
単三電池タイプのシェーバーなら、移動前に電池を外しておくのが最も確実。
電池を逆向きに入れておく方法も応急的に有効です。
スイッチロック機能をONにする
最近のモデルには「ロック」機能が付いていることがあります。
数秒長押しでロックできるタイプが多く、解除方法は取扱説明書やボタン横のアイコンを確認しましょう。
スイッチ部分にテープを貼る
ロック機能がない古いモデルには、スイッチの上にマスキングテープや養生テープを貼っておくと、押し込みを防げます。
透明テープよりも、剥がしやすいタイプを選ぶのがコツです。
これらの小さな工夫で、旅行中の「うっかり誤作動」をしっかり防止できます。
海外旅行での電圧・プラグの注意点
変圧器・変換プラグの必要性
日本の電圧は100Vですが、海外では110V〜240Vが主流です。
そのため、対応していないシェーバーをそのまま使うと、過電圧で故障や発煙の恐れがあります。
使う前に、まずシェーバー本体や充電アダプターの裏面をチェックしてください。
「INPUT：AC100-240V」または「AC100V–240V対応」と書かれていれば、世界中どこでも使用可能です。
もし「AC100V専用」と記載されていた場合は、変圧器が必要です。
シェーバーの消費電力（例：15Wなど）を確認し、それ以上の容量を持つ変圧器を選びましょう。
また、プラグの形状も国によって異なります。
・日本：Aタイプ
・ヨーロッパ:Cタイプ
・イギリス ：BFタイプ
・オーストラリア ：Oタイプ
などに変換する必要があります。
出発前に訪問国のプラグ形状を調べて、マルチ変換プラグを用意しておくと便利です。
現地で充電する際のトラブル例
海外では、「焦げた」「動かなくなった」といったトラブルがよく起こります。
これは、電圧が高い国（例：ヨーロッパや東南アジア）で100V専用シェーバーをそのまま使ったことが原因です。
安全に使うために、以下のポイントをチェックしておきましょう。
安全チェックリスト
・変圧器の対応ワット数がシェーバーの消費電力を上回っているか
・延長コードを無理に使わない（電流が不安定になり、ショートの原因になる）
・充電中は目を離さない（異常発熱や異臭にすぐ気付けるように）
特にホテルの古いコンセントは電圧が不安定なこともあるため、就寝中の充電は避けるのが安全です。
旅行中のシェーバーケア術
持ち運び時に清潔を保つ方法
シェーバーは毎日肌に触れるアイテム。
旅行中でも、清潔さを保つことが快適さのカギです。
持ち運びの際は、以下の3点を心がけましょう。
キャップで刃を保護
移動中に刃が欠けたり、他の荷物を傷つけたりするのを防ぎます。
専用ポーチやジップ袋に収納
ホテルの洗面台に直置きせず、清潔な袋に入れておけば衛生的。湿気やほこりの侵入も防げます。
消臭・除菌シートで軽く拭く
使い終わった後にサッと拭くだけで、汗や皮脂のニオイを防げます。「アルコールタイプ」なら除菌効果もあり、おすすめです。
滞在先でのメンテナンス法
シェーバーを長く清潔に保つには、1日の終わりに軽く手入れすることが大切です。
水洗いOKなモデルの場合
夜に刃部分を流水で洗い、ティッシュで水分を軽く取ってから自然乾燥。 タオルは繊維が絡みやすいので避けましょう。
携帯用洗浄液やブラシを使うと、短期滞在でもスッキリ清潔。
専用の小型ブラシが付属していることが多いので、旅先でも簡単に手入れできます。
没収・破損トラブルを防ぐためのチェックリスト
出発前チェックリスト
飛行機に乗る前に、次の5項目を確認しておくと安心です。
バッテリータイプを確認
リチウム電池内蔵なら「手荷物」に。預け荷物は禁止の航空会社もあります。
刃が保護されているか
キャップやカバーで保護しないと、検査時に危険物と見なされることも。
スイッチロック・電池抜きOK
誤作動を防ぐ基本です。
専用ケースまたはタオルで保護
衝撃対策にもなり、スーツケース内での破損を防ぎます。
実践例・ケーススタディ
例1：出張ビジネスマンの成功例
国内線でリチウム電池内蔵のシェーバーを「手荷物」に。 検査もスムーズで、ホテル到着後も快適に使用できた。
例2：預け荷物でトラブルになったケース
スーツケースに入れて預けたところ、出発前検査で「リチウム電池内蔵製品は機内持ち込みへ」と指示される。事前確認の大切さを実感。
例3：海外での電圧トラブル
ヨーロッパで100V専用のシェーバーを直挿しして故障。焦げ臭い匂いとともに使用不能に。変圧器と変換プラグの準備は必須！
まとめ
電動シェーバーは基本的に飛行機への持ち込みOK。
ただし、リチウム電池の扱い方や航空会社ごとの細かな規定には注意が必要です。
特に海外旅行では、電圧やプラグ形状の違いが思わぬトラブルの原因になることも。
出発前に「電圧対応」「変換プラグ」「スイッチロック」の3点をチェックしておけば安心です。
あなたの電動シェーバーを正しく準備しておけば、どんな国へ行っても快適に、そして清潔に毎朝をスタートできます。
「旅の快適さは、準備の丁寧さから。」
小さなチェックで、大きな安心を手に入れましょう。
